イスノキという木があります。
材が硬いので椅子に利用された事が名前の由来とか…
そろばん玉に使われる木といえば「あ~あの木ね」と
誰もが一度は触れたことがあるかと思います。
大木にならず、花は小さくひっそりと咲くので
どちらかといえば地味な木かもしれません。
ところがこの木の葉にアブラムシの仲間が寄生すると黒く膨らみ
これが優秀な染料になるのです。
黒いイボイボ(虫こぶ)はイスノキにはほぼもれなく着いていて
私も以前は病気なのかな?思っていたのですが…
やや茶色味のある落ち着いたグレーは藍と組み合わせて
ミニトートにしました。
昨年「Handmade Park in LILIA」で展示販売したところ
この色でポシェットをとオーダーを頂きました。
まさかのイスノキオーダー💦
造園屋さんのご厚意で枝葉を分けて頂けたおかげで
無事に完成、お届けすることができました。
染料の採集では本当に頼りになるオトコ、次男のリクエストが
これまたイスノキのペンケース。
感謝を込めて裏布もきっちり草木染めで仕上げます。
ところでこのイスノキ、
虫こぶのない葉だけではこの色には染まらないのです。
虫に対する防御作用でタンニンが生成されるので
黒味のある微妙な色になるようなのです。
そういえばソロバン玉の色ってこんな色じゃなかったかしら…
主役にはなれない木かもしれないけれど、
虫から身を(木を?)守るためにがんばっているイスノキは
染料としてはシブい主役級だと思うのです。
今回のイスノキ染めに関わって下さった皆さん(アブラムシ含)
ありがとうございました