地衣類を染めるということ

 

「ウメノキゴケ」を染めています。

その名の通りウメの枝、マツの樹皮などにうろこ状につく地衣類です。

名前は「コケ」ですが、キノコと同じ菌類の仲間。

アンモニアに浸けこむことで紫が得られる染料となります。

剪定後廃棄され野積みになった残枝、

次男と仲間たちが調査で入る山で見つけた倒木や枯れ枝などから

少しづつ集めたサンプルを1つづつ検証し、

確実に赤く発色した物だけを染料として使います。

umenoki test

地衣類の成長はとてもゆっくりで1年で数ミリ程度といわれています。

マイペースで地道に成長していく地衣類がなんだかいとおしくて

やみくもに採集することはできません。

そんな思いを込めて作るウメノキゴケは

染め方も私流。

薄い染液でゆっくり色を吸着させていくので

淡い薄紫に染まります。

鮮やかな紫に染められるだけの染料はありません。

 

umenoki eki 18

負け惜しみではないけれど、

草木染めに正解はないのではないかと思っています。

umenoki mihon 18

地衣類染めは

ゆっくりと培われてきた自然の時間を少しだけ分けてもらって

色を見せてもらっているような気がするのです。

umenoki bin 18

ビンの中で少しずつ変化していく色を毎日見ていると

自然の力には到底かなわないということを思い知らされるようで

わからないことばかりがどんどん増えていくのでした。

自由研究は続きます。

 

ありがとうございました。

 

 

 

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