「ウメノキゴケ」を染めています。
その名の通りウメの枝、マツの樹皮などにうろこ状につく地衣類です。
名前は「コケ」ですが、キノコと同じ菌類の仲間。
アンモニアに浸けこむことで紫が得られる染料となります。
剪定後廃棄され野積みになった残枝、
次男と仲間たちが調査で入る山で見つけた倒木や枯れ枝などから
少しづつ集めたサンプルを1つづつ検証し、
確実に赤く発色した物だけを染料として使います。
地衣類の成長はとてもゆっくりで1年で数ミリ程度といわれています。
マイペースで地道に成長していく地衣類がなんだかいとおしくて
やみくもに採集することはできません。
そんな思いを込めて作るウメノキゴケは
染め方も私流。
薄い染液でゆっくり色を吸着させていくので
淡い薄紫に染まります。
鮮やかな紫に染められるだけの染料はありません。
負け惜しみではないけれど、
草木染めに正解はないのではないかと思っています。
地衣類染めは
ゆっくりと培われてきた自然の時間を少しだけ分けてもらって
色を見せてもらっているような気がするのです。
ビンの中で少しずつ変化していく色を毎日見ていると
自然の力には到底かなわないということを思い知らされるようで
わからないことばかりがどんどん増えていくのでした。
自由研究は続きます。
ありがとうございました。